11月26日

 細かいことが気になるこの頃
 日本文化の英訳の本を見ていたら、奇妙な説明がありました。
 ・「浮世絵」の説明
 「浮世とは、floating worldである」とありました。
  漢字を直訳すれば確かにそうですが、浮世とは、現世、つまりこの世のこと。仏教の輪廻転生の考えから、今生きているのは仮の世にすぎない、だから浮世と呼ばれているという背景があるはずなのですが。
  「現世を描写している」から浮世絵で、だからこそ当時の人々の姿が描かれているので興味深いと説明するのが正しいのでは。

 ・パバロッティの「道化師」
  フィギュアスケート・グランプリシリーズ(NHK杯)でフリーで使われている曲の説明が、パバロッティの「道化師」とアナウンサーが説明していました。
 これは、オペラ道化師の中のアリアをパバロッティが歌っているので、アナウンサーの説明では、「道化師」の作曲者がパバロッティのように聞こえてしまいます。(作曲者はルッジェーロ・レオンカヴァッロ)

 ・昨年の通訳案内士口述試験の問題(扇子は韓国から伝わってきた)
  逐次通訳の問題に、
  「芸者が使う扇子は、9世紀に朝鮮から伝わって来ました。。。。」
  えっ! 扇子は中国から伝わったもののはず?

  こんな問題があたったら、考えこんでしまうぞ!!
  逐次通訳なので、言われた通りの日本語を英語にしなければならない。

 「道化師」の作曲者はともかく、後は実際に英語にするときに困るなー?
  と世の中の非常識を嘆いています。