10月5日

 「Steve Jobs、アップル会長死去」というWebニュースのタイトルが眼にとびこんできました。Jobs氏の死去は 、膵臓癌にかかっているとわかった時点で予想はできたのですが、それでもショックでした。
 私がコンピュータ・エンジニアとして働き出したときから、MacWindowsの攻防を眼にしてきました。一旦落ち目になったAppleのCEOに返り咲き、ipod 等,,次々とヒット商品を開発し、Appleが盛り返したのは奇跡に近いと思っていました。AppleのOSは完全にブラックボックス状態で外部に公開していないため、仕事としてAppleのコンピュータにかかわることはなかったのですが、それでもあの発想、戦略などは常に驚きの対象でした。
 一番印象に残っているのは、Jobs氏のスピーチでしょう。日本にG4の宣伝に来たときのスピーチが、本当にスピーチのお手本通りというか、プレゼンテーションの見本といわれるものだったことで、感心してしまいました。本当にそのままテキストに載せてもよさそうな内容の展開でした。
 その上、スピーチのときの絶妙の間合い、聴衆を沸かせるこつなど、スピーチの構成以外もほんとうに人をひきつけるものがありました。8月にCEOを退任し、会長に退いたことを発表したとたんAppleの株価が7%も下がったというのはJobs氏のカリスマ性をかっている人が多い証拠でしょう。これからのAppleがどうなるかも気になるところですが、あのスピーチが聞けなくなると思うと、とても寂しい気がします。